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NPO ja.ma.ta.(ジャマタ)は、病と共にいる人もそうでない人も、人間関係や環境を通じて「生きる力」を高めていくことを目指します。

村田 まり Mari Murata

メッセージ

遺族体験が私を形作っています。小6の時、父が事故で一日にして亡くなり、家族システムが急変。何が起きたのか飲み込めず、これから何が起こるのか想像もつかず、自分が困っているのかどうかもよくわからなかった時期がありました。ただ、寂しく、まわりの人の笑顔を見ても何とも思わなかったり、どんな慰めの言葉をかけられても受け取れなかった時期に、私が好んだのは、きれいな色や形でした。 言葉を介さないで、対話ができ、心が落ち着きました。見たり触れて感じることができるという有難さがありました。感じることができると生きている実感がもてるから。


看護師を志しましたが、あこがれる看護師像や良い医療現場のイメージはありませんでした。でも、病棟で働かせていただき、多くの患者さんと出会い、私は看護師の役割の中の「患者さんの環境を整えることが好き」だと気づかせてもらいました。そして、病院という空間のあり方にさらに知りたいと思い、デザインの専門学校に進学しました。


欧米では”アートinホスピタル”の考え方で設計、デザインされ、そのための経費があるのですが、ようやく日本でも理解されてきました。どこかのお宅に眠っている絵画や院長の趣味で飾るのではなく、見る人を思い、そこに必要な作品の制作に、お金をつかうことがされるようになってきました。アートをどう活用するかと考えられるようになってきたということです。私は、こういう動きに、喜びを感じるようです。


医療の問題は、政策・経営・設計技術など個人の力ではどうしようもないことが複雑に絡み合っています。それに、アートは設置するだけでなく、人と人とのコミュニケーションから起こる作用が必要です。片方だけが力をもったり、認められるのではなく、両輪、バランスをとりながら、「療養環境を整える」とはどういうことかを考え、行動にうつしていきたいと思います。

プロフィール

兵庫県宝塚市出身。川沿いに住み、2つ上の兄にくっついて河原を散策した幼少期が基盤にあり自然大好き。のほほんと過ごしていた中、突然父がなくなり、立場が急変。放心・閉じこもりたいが進まねばならぬ状況についていくために奮い立たせること数年。脱サラして鍼灸師となった父が「看護師っていい仕事だよ~」と言っていた記憶と、夫を亡くしたあと看護学校に行き看護師となった母親の背があったことから、自分の意思というより使命感で看護専門学校を卒業。病棟(血液内科・一般内科)看護師を経験し、患者さんが大切にする生活・行動・発言・自己表現などができない入院環境がある現実に気付く。

患者さんにとっては、衛生だけでなく、光、音、囲まれるモノ、すごす時間、まわりの人も”環境”。環境によって、自分らしくいれたり、前向きになれたりするのだから、環境づくりの要素や手段を看護師が知っていたら面白いんじゃないかと考えデザイン専門学校プロダクトデザイン専攻へ進学。ここで出会う友と師は私にとって宝物である。2007年、北川ひろ子さんとの再会をきっかけにジャマタの設立に関わる。【資格】福祉住環境コーディネーター2級。がん相談支援センター相談員基礎研修(1)(2)(3)修了。日本造血細胞移植学会HCTC 認定講習Ⅰ修了。

☆好きなこと,もの
 ・サイクリング、ピラティス、猫、ラジオ体操

☆好きな場所
 ・民族博物館、職人さんの工場やアトリエ

☆好きな食べ物
 ・つぶあん